昭和46年に長野県天然記念物に指定された居谷里湿原(いやりしつげん)には、移ろいゆく湿原の四季を楽しみに毎年多くの人々が訪れます。居谷里湿原は、幅130m、長さが約1.5kmの範囲にわたって広がっています。ハンノキ林によって湿地帯が占められ、陸地化・乾燥化がすすみ、湿地特有の貴重な動植物の生息地が限られるようになりましたが、平成8年からの保護対策事業によって、ザゼンソウ、ミズバショウなどの生息範囲も自然増加するようになりました。
この湿原は周囲の森とともに、時に人の手が加わりつつ、 利用しながら維持されてきました。 この美しい自然を守り、大切にしていきましょう。

ゼンソウの花

早春、葉が出る前に花をつけます。花のように見える弁は、仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれ葉が変形した大型の苞。内部は温度が高くなり周りの雪を溶かします。 ミズバショウの苞は白色。

キクザキイチグ

(キンポウゲ科)
別名キクザキイチリンソウ。がく片は花弁とよく似ています。紫色と白色の花があります。

ヒメギフチョウ

湿原の雪融けとともに姿を見せはじめ、早い年は4月下旬に、遅い年は5月に入ってから観察することが出来ます。春の女神と呼ぶにふさわしい美しく可憐なチョウです。

オオルリ(オス)

オスの羽の瑠璃色が美しく、腹面は白色です。夏鳥として4月下旬〜5月上旬に渡来し、5〜6月には高い枝に止まって、ピッピキギチギチ、ピヨピーキョキョ、ピィピィチーチリリリと盛んにさえずります。
葉は、花時には縦に巻く(春の居谷里湿原参照)が、花後大きく広がり40cm前後、高さが1m近くにもまります。秋には枯れてしまい、葉の上の実(写真)は、上から落ちてきたハナノキの実。手前のシダはヤマドリゼンマイ。

ミカヅキグサ

カヤツリグサ科) 高さ約15〜50cm。

居谷里のアヤメ3種

・アヤメ

葉の幅5〜10mm、花の径約8cm。外花被片の基部は黄色地に紫の網脈があり、湿原周辺の乾燥地に生息しています。

・カキツバタ

葉の幅10〜30mm、3種で最も広く花の径約12cm。外花被片は大きく開花して垂れ下がります。

・ノハナショウブ

葉の幅約5〜12mm、花の径約10cm。湿地に生息していて、ごくわずか。

ノハナショウブの花のつくり

アヤメ類はがくと花冠(花弁の総称)の区別がなく、花被と呼ぶ。区別があるものは内花被ががく。花柱は雄ずいと柱頭と子房の間のこと。

オゼイトトンボ(オス)

(イトトンボ科)
1935年に群馬県尾瀬ヶ原で初めて発見されたトンボ。日本特産種で、高山性トンボの1種。環境に対する適応力が弱く、保護を必要とするトンボです。

ゲンジボタル

居谷里湿原には右のゲンジボタルとヘイケボタルが生息しています。ゲンジボタルの復活が確認されたのは平成11年。 ゲンジボタルの分布域は、餌となるカワニナのそれと一致します。
秋の居谷里湿原は、周囲のカラマツが黄色く、ハナノキは紅く色づきます。色とりどりの木の実も多く見られます。

ナツハゼの実

ミヤマウメモドキの実

ハナノキ(ハナカエデ)の紅葉

ミヤマガマズミの実

オオミズゴケとハイイヌツゲ

サワラの発芽

湿生林の林床に発達したミズゴケの、マットの上には、植栽木の種子から
発芽して天然更新する稚樹が多いです。

コナラ林とハイイヌガヤ

ハンノキ林











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